写真は一旦木綿と(商品にあらず)
ハーキマークリスタル
腕時計から取った歯車(うそです)
のロングネックレスと
お揃いのピアス。
まだお勤めにんだったころ、
夏のある日
どこからともなくお経がきこえて・・・・・
白昼のホラーか?
と辺りを見回すと、
白装束で足袋、修験者のようなお坊さんが
お隣のお店入口で立ってました。
声の主の姿が見えたのは一安心でしたが、
はて?なにしてるの??
なんてやってたら、
目の前にきたっ!!
○○寺の○○と申します。
ご喜捨をお願いいたします。
とのことだった。
ここからは随分遠く離れた所からきみたい。
初めての事であっけにとられ、
あらぬ嘘をついた。
「お財布忘れてお金ないんです。ごめんなさい。」
そうですか。
ありがとうございます。
と言うと短くお経を唱えてまた隣へ。
いつのまにか通りには姿も声もなくなっていた。
・・・・・なんだかよくわからないが、
やたらと後悔してしまった。
彼が示した首から下がる布の袋の中には小銭ばかり。
1円玉もあった。
100円だってよかったのに。
なんで嘘をついた私。
また来ればいいのに。
なんて勝手なことを考えて待ったけど
その年はもう来なかった。
蝉が鳴きアスファルトの照り返しがきつくなると、
また
どこからともなくお経が!!
その声が近づくにつれ、
なぜかウキウキした。
「こんにちは。」
キターッ!!
でも多分去年とは違う人
用意しといたお財布から小銭を
差し出された袋にそっと落とした。
深々と頭を下げて
「ありがとうございます。」
低い太いいい声で、随分長くお経を上げてくれた。
手に持った長いあれを
シャンシャンと鳴らして
時を締めくくるみたいに、
また深いお辞儀をして足早に去っていった。
さっきとは
店の空気が違う。
気のせいか??
わからない。
少なくとも一年越しの私の後悔は晴れた。
気になって色々調べたら、
修行の一環であるらしい。
そうだ、知らない人からお金を頂くことは大変なことだろう。
そんな中で、それらしい姿の詐欺もあるらしい。
私が会った人が本物か偽物かわからないけど、
私はそれから毎年、お財布の小銭を
そっと落とした。
お金をあげることの気持ちよさが少しだけ
わかったから。
それによって、
空気が変わることも知った。
喜捨でも詐欺でも誰かの役にたつことを考えたら、
なんだか幸せな気持ちになれた!
しかしながら、
あの時の後悔の理由は
よくわかっておりません・・・・・。